かずの不定期便ブログ

備忘録代わりに書きます

X68K 電源を修理

結論から先に書きますと、完全復活しませんでした。電源がスタンバイモード(VCC2のみ生きてるモード)にならないです。。。

目次

電源の修理を行います

 ATX電源withACアダプタで我がX68Kは順調に稼働しているのですが、背面が不格好だし、何より左タワーの剛性が不足しているので、元の電源を修理して付けたくなりました。
 ただACアダプタ化でメリットもあって無音であることと、背面の穴がふさがってないのでラズパイの電源のUSBケーブルの通り道として使っていることです。RaSCSIを内蔵した自分には特に重要です。*1
 この手の記事は多いです。情報源には最早ならないですけど、なんとなく書き留めておこうかと。

部品の調達

 修理部品の調達がまずは難所ですが、ヤフオクに電源修理用の部品セットが出ているのでそれを購入して解決です。一個一個探して注文するのは時間がかかりすぎます。ヤフオクで出している方ありがとうございます。

電源の状態確認

 実は壊れているかどうかは分からないです。ネットで電源を入れると焼損するなどの記事を見ていたので怖くて電源を入れる事は出来ませんでした。電源の確認前に、取り外してATX電源を付けたのでした。
 まずは取り外し済みの電源を分解して見てみます。
 僕のボンクラeyeでは、電解コンデンサが液漏れしているのか、単なるフラックス汚れなのか判断できず。ただ焦げたような跡はないように見えます。また電解コンデンサが膨れているというような風にも見えませんでした。
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 というわけで交換部品セットには電解コンデンサ以外に1/4W抵抗とかツェナーダイオードとかも入ってたのですが、特に焼損してもいないし、消耗品である電解コンデンサ以外は変えなくてもいいんじゃね?と思って作業を開始しました。この判断が誤りです。冒頭に記載した完全復活しない原因だと思います。

電解コンデンサの交換作業

 この手の作業は初めてです。そもそも部品面と基板裏のはんだ付けのホールの対応すら間違えそうです。ただひたすら表の位置と裏の半田位置を間違えないように時には定規を当てながら、なんとか間違ったはんだを溶かすことなく作業は終わりました。

この作業で得た経験

はんだごてを当ててすぐに溶けないようなら半田を盛ると溶けやすいです。頭では分かってはいたけど、これほど多くの数(といっても全部で13個x2リード)をこなすと半信半疑は確信になります。

  • はんだを盛る
  • 半田吸い取り線をはんだの上に乗せて上からはんだごてを当てる。
  • みるみる半田吸い取り線に流れ出てきます。
  • シュッと半田ごてと吸い取り線を同時に基板から離します。同時に離さないと吸い取り線が基板に引っ付いて取れなくなります。。。
  • 電解コンデンサはリードを曲げて基板に取り付けられています。これが曲者で、はんだがほぼなくなっても曲がりの所為で簡単に抜けないです。そう釣り針の返しのようです。これをほぼ垂直に立てないとコンデンサはきれいに抜けないのですが本作業が非常に難しいです。なぜならリードを起こしたくても基板面とリードのクリアランスが無いのでラジオペンチでリードをつかめない。。。ピンセットだとピンセット側が負けてうまく起こせない。ということでほとんどのコンデンサは本体を手でつまんで引っ張りながらはんだを溶かして、グリグリやってなんか手ごたえは無いけど、なんとか取れたみたいな作業を繰り返しました。片側のリードをグリグリ、もう片側をグリグリを数回往復して抜ける感じです。この抜けた感、リードが基板を離れた感を実感できない為、非常に時間がかかりました。参考にしたいくつかのwebではあまりここにハードルがあるような記載はなかったのですが、僕はコンデンサの撤去作業が最も疲れました。

▼哀れ!撤去されたコンデンサたち。赤色のコンデンサがかっこいい。
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こうしてみると、裏側は汚いものがあります。これが液漏れかなぁ。

そして無水アルコールで掃除した写真が下になります。

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抵抗値の測定

抵抗値が異様に大きくて、動作しなくて該当抵抗を交換したというサイトがあったので、コンデンサを載せる前に抵抗値を測定します。
X68000 XVI 電源修理 - Weintraub’s blog
測定すると以下の抵抗がおかしな値でした。

部品シルク 抵抗値 測定抵抗値
R100 300Ω 210Ω
R99 316Ω 220Ω
R24 470Ω 253Ω
R39 470Ω 4.5KΩ
R23 2.7KΩ 2.15KΩ
R22 2.7KΩ 2.4KΩ

しかし、基板上についている抵抗の測定は他の抵抗と並列に繋がっている合成抵抗を測定している場合があるとの事なので、違ってても大丈夫かなぁと判断しました。

コンデンサの取付

この作業は楽ちんです。+-の方向だけは気を付けて(シルク印刷で白帯が付いている側がーです)はんだをつけます。大きめのやつは基板の穴の位置とリードの出ている位置が同じなので差し込むだけです。小さい径のやつは少し広げないと穴に入らないのでコンデンサ本体の近くで外側にリードを曲げ少し水平に伸ばしてからまた下方向に曲げて位置を合わせて差し込みます。
▼完成版
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電圧チェック

基板をシャーシにねじ止めして蓋をしめます。
そしてコンセントを繋いでスイッチをONにします。
ブーンと勢いよくファンが回り始めます。こんなに音が大きかったかな?と思いました。PCは12cmファンばかり使ってて低速回転しているのでこのような大きな音は出ないです。
最初びっくりしましたが、X68電源はコントロール端子(PC)が解放だとONでGNDに落とされるスタンバイだとどこかの記事に書いてあったので、まぁ想定通りだと納得しました。コネクタから以下の電圧が出ているのをテスタでチェックします。
青のラインは+12V
赤のラインは+5V
グレーは-12V
PCは+1.3Vくらい
これで修理完了!だと思いました。

FANの交換

うるさいので交換しました。12V 6cm角 25mm厚 リブあり(重要)を購入すればOKです。僕はXFAN RDM6025Sを買いました。
また基板と繋ぐコネクタは、PC用のものはそのまま刺さらないので、コネクタだけ交換します。
LinkmanのZL2542-2PSのハウジングとピンが合いました。
購入したFANのコネクタはX68のファンコネクタに合わないので、バッサリカットします。長さは適当に少しオリジナルより長くする感じで。僕はオリジナルファンの上に購入したファンを載せてコードの寸法を元のものと大体合わせてカットしました。(右側の写真で赤黒白のコードです)

▼左がカット前、右がカット後

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白のコードは回転数検出なので利用しません。赤が+12V,黒がGNDです。刺す穴を間違えないようにオリジナルと比較しながらピンをハウジングへ挿入します。
▼左がコードにピンを圧着したところ、右がハウジング挿入後

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さてFAN交換後の効果は?

 交換したファンは3000rpmなのですが、高温が効いた音に変化しました。微妙な静音化です。単に音質が変わっただけの様な・・・。もっと低い回転数のものを購入したかったのですが手に入れることは出来ませんでした。
 このファンですがメーカーは非保障ではあるものの5Vでも回ります。5Vだととても静かでした。今回5Vを引っ張ってくるのが面倒だったので作業は行ってないですが、いずれ挑戦したいです。(回転数の低いものが手に入るなら交換の方が手っ取り早いですが)

グリス塗りなおし

この電源は一か所だけ熱伝導シートではなくグリスが塗られてクリップでシャーシと接している部分があります。グリスもきれいにしてあげようという事で、一旦古いグリスを無水アルコールで除去したのち新しいのを塗ってます。

仮組付けして動作確認

悲劇が起こりました。以下の様な動きをしてうまくスタンバイへ遷移しないようです。なんとなくあるある症状な気がしますが、素人にはよくわかりません。

  1. 背面スイッチをオン
  2. ファンが回りだす(あれ?あれ?)
  3. 正面のLEDはなぜか緑点灯
  4. 正面のPOWERスイッチをON
  5. 普通にブートします。
  6. 正面のPOWERスイッチをOFF
  7. パワーLEDが緑点滅
  8. そしてパワーLED消灯(おぉ!)
  9. 数秒後、LEDは緑で常灯状態(ありゃ?)

ファンはずっと回りっぱなしでした。。。
LEDが赤になる事も無し

一度外してスタンバイチェック

先にやっとけばよかったのですがPC端子をGNDに落とすとスタンバイに入るそうです。以下の動作確認章を参考にさせていただきました。
X68000 XVI 電源修理 - Weintraub’s blog
GNDとPC端子を接続してもファンは回りっぱなしでした。コンデンサ交換だけではだめだったようです。回路図見れば原因分かるかなぁ。。。

というわけで今回は失敗!!!
抵抗なんてコンデンサの影に隠れてて交換出来ないよ。。。
今まで通りACアダプタで運用すればいいだけなので、直すモチベーションも上がらないので、このまま押し入れにしまいます。。。

では、今日はココまでです。
また何か進捗がありましたら記事を書きます。

前回の記事
spend-carefree.hatenablog.com

*1:SCSI端子が出ている隙間からUSBケーブルがギリ通ることを確認しました。