かずの不定期便ブログ

備忘録代わりに書きます

X68K RaSCSI内蔵

目次

RaSCSIを内蔵化したい

 私は「RaSCSI Adapter Lite ExternalEdition (アンフェノール)」というRaSCSIシールドを購入したのですが、名前の通りExternal、つまり外付け用を想定していると思うのですが、取り付ける際にSCSIケーブルと本体であるラズパイが必要なので結構場所を使います。また、使用後は片付けたいので、出来るだけ接続の手間を減らしたいと思って(名前に反し)内蔵化することにしました。

作成ケーブルイメージ図

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必要なもの

1 フラットケーブル 1.27mmピッチ 20芯 50cm
2 ソケットコネクター 20極 2個
3 SCSI アンフェノール ハーフピッチ 50ピン コネクタ 1個
4 ダイソーのPPシート(厚み1.2mm) 乳白色 1枚
5 アクリルカッター 1個
6 ステンレス製定規 1個
7 木ネジ 直径3.5mm x 長さ16mm 2本
8 2.54mm基板用ピンヘッダー ピン数は5ピン程度 2個
9 SCSIハーフピッチアンフェノール→フルピッチ変換 1個

No.1~No.3はRaSCSIと本体接続ケーブル自作用
No.4~No.7はRaSCSIの本体へのマウンタ自作
No.8~No.9は自作ケーブルのショート確認用のアシスト機材です。なくても大丈夫ですが作業効率がかなり違います。No.8はソケットコネクタにつなげてテスタピンを触りやすくするため。No.9はSCSI端子のハーフピッチをフルピッチ変換して、テスタピンを当てやすくするためです。

(1)内蔵用フラットケーブル(20ピン)45cmくらい
EXPERTはSASIなので20ピンです。以下のサイトが大変ためになりました。
EXPERTにHDD用フラットケーブルを取り付ける - 砂の小瓶とMythTV
但し、内蔵化するのでフラットケーブルは外部SASI基板を中継してRaSCSIへ繋ぐので45cm程度のケーブルを準備しました。コネクタ付きのケーブルが売ってればよかったのですが、中継コネクタ付きは見つけられなかったのでコネクタは自分で付けます。僕が購入したものは、すだれタイプと呼ばれるもので20本の線が繋がっている部分(融着というらしいです)と離れている部分が交互になっているタイプです。融着部分にコネクタを圧接します。融着していない部分はケーブルが曲がりやすいので、配線がしやすいです。

(2)ソケットコネクター 20極 2個
上記ケーブルの端に繋ぐコネクタ(下部基板との接続用)と端から15cm程度のところで外部SASI基板へ分岐するためのコネクタです。将来外付けを繋ぐことは無いのですが、おそらくですが外部SASI基板にも結線を行わないと、本体側の終端抵抗が有効にならないと思ったからです(未確認です!茶色の物体(写真の赤囲い)は抵抗だと思ってます)。この基板がこのような役割を持ってないなら20ピンのコネクタ付きのケーブル買って、圧接作業を行わなくて済むのでミスがないです。金属が付いているコンタクト部分とケーブルを挟んで蓋をする部分にパーツが分かれているのですが、蓋の部分には両面テープが貼ってあり仮止めがやりやすいです。圧接時にずれないです。購入したものの品番は「7920-6500FL」です。引き抜きタブは不要です。

購入した20芯フラットケーブルとコネクタ
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外部SASIコネクタ用基板に付いている終端抵抗?(480MΩの抵抗の様です。2019/11/3追記)*1
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変な基板が付いてますがSxSIの為に作ったパリティ生成器です。RaSCSIには不要物。

因みに元から付いてたSASIケーブル(約13cmでした)
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(3)アンフェノール ハーフピッチ 50ピン コネクタ
ヤフオクで新品を入手しましたが、現物は下記になります。フラットケーブルとはんだ付けします。
http://multimedia.3m.com/mws/media/1142153O/101xx-3000-pe.pdf
http://multimedia.3m.com/mws/media/1142159O/103xx-52x0-008.pdf


(4)ダイソーのPPシート(厚み1.2mm) 乳白色
ラズパイの固定用です。適当なサイズでカットしてHDD内蔵用のマウンタを作成します。丈夫なアクリル基板で制作したかったですが、ホームセンターにしかなく価格も高かったため、PPシートにしました。108円です。乳白色が気に入りません。透明板はなかったです。

(5)アクリルカッター
PPシートカット用です。カッターでも切れるようですが自信がないのと時短できそうなので。ホームセンターのアクリル板売り場にあったアクリサンデー製のカッターです。

(6)ステンレス製定規
上記カッターを当てて、まっすぐPPシートを切るためです。ダイソーで購入。

(7)木ネジ 直径3.5mm x 長さ16mm
X68本体のマウンタ取付穴に入るサイズのネジです。他の木ネジと径が違ってて合うものを入手するのにホームセンターを2往復&百均です。最初いくつかサイズの入ってる百均で購入しましたが、どれも合わず、ここから径のあたりをつけてホームセンターで一回目はサイズミス。2回目でようやく合いました。もしかしたら、本体側のねじが切れてないだけで、他の木ネジと同径の可能性もありますが、傷はつけたくないので力を入れなくても穴に入るものにしました。しかし普通のネジじゃなく木ネジでとめられているというのが今となっては不思議です。

(7.1)フラットケーブルコネクタ 圧接工具
入手せず。。。これがあったら圧接が楽だったですが、けちって百均のミニバイスとペンチを僕は使用しましたが、失敗しました。コネクタの留め具は破壊しちゃうし、若干コネクタに隙間が空くしで。せめてちゃんとした金属製の万力は最低限必要だったと思います。でもコンタクトは取れたしショートもなかったのでよしとします。圧接のやり方が記載されているwebをいくつか見ましたが、いずれも万力を代用品として使ってました。万力だって自宅にある人少ないですよね。。。参考にしたページを載せると
万力を使った圧着
http://www.valley.ne.jp/~linus/archive/mil-con1/index.htm
圧接の仕組みが本ページで分かったので非常に役に立ちました。

(8)基板用ピンヘッダー ピン数は5ピン程度を二個
圧接のコンタクトチェック用にあると便利です。このピンヘッダーをコネクタにさすと、テスターでこのピンに触ればコンタクトチェック及びショートチェックが出来ます。

(9)SCSIハーフピッチアンフェノール→フルピッチ変換
これもあると購入したSCSIオスコネクタの半田結線チェック時にテスタピンを当てる際に対象がでかくなるので非常にやりやすくなります。たまたま持っていたので(実はRaSCSIシールド購入の際に何種類か変換コネクタを買っていたので、それが役立ちました)ラッキーでした。

圧接作業

茶色を1pinとしています。金属のとがった部分が被覆を破って金属間の谷部分に被膜の剥かれたピンが圧接によって嵌ります。写真では奇数ピン(1,3,5...)しか見えてないですが、奥側に偶数ピンの端子があります。このように接触する点が交互に位置が変わることでピン間を2.54mm(ケーブルは1.27mm)確保しています。よくできているなぁ。なので、、、よほどの事が無い限りソケットでのショートは発生しないです。
位置決めとコネクタの写真
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写真は撮ってないですが(撮れないです)、仮止めしたコネクタをミニバイスで挟んで締め付けていきますが、、、ミニバイスが負けます。ペンチで無理やり押し込むと全体に力がかからない為かソケット横の留め具が破壊されました。。。でも圧接自体は出来ているようで、留め具が破壊されてもケーブルとコネクタは外れることはありませんでした。念のため、両脇の留め具の部分は接着剤を着けて、クリップ(文具の紙を束ねるやつ)で押さえ込んだ状態で一日放置して無理やりくっつけました。

テスタでピン間ショートしていないかチェックするためピンヘッダーをコネクタにはめた様子。ピンぼけ
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ピンヘッダーは一個しか手元になかったため、偶数ピンと奇数ピンのショートがチェックできません。これは避けるべきでした。僕は1pinと2pinをショートさせてしまったのですが、この事に気が付いたのは圧接作業及び、SCSI端子のはんだ付け作業を終えてからです(bootが出来なくて気が付きました)。そのためショート箇所が2か所のコネクタなのか、SCSIのはんだ付けミスなのか判断が出来ず、(怪しく見えた)コネクタとケーブルを一旦外し、それでもショートは改善せず、次にSCSI端子の1ピンの半田づけを取り除くことでようやくショートが解消されました。この様な面倒な回り道をしないように、ピンヘッダを二組用意するか、半分に割って偶数ピンと奇数ピンにピンヘッダを刺せるようにした方がいいです。
#原因はフラットケーブルのより線を束ねて予備半田を行ってからSCSI端子にはんだ付けしますが、予備半田の際に線が一部飛び出しており、そのままはんだ付けしてしまい、飛び出た髭が隣の2pinに接触したようです。基本が出来てなかったです。。。
*2

SCSI端子とフラットケーブルのはんだ付け

フラットケーブルをワイヤーストリッパーで被覆を剥いて、より線をねじって線に予備半田を行っておいてからSCSI端子とはんだ付けします。奥側を先にはんだ付けした方が楽です。奥と手前で端子の高さが異なるので、手前を先に作業を行ってもできそうな気がしますが、手前のはんだ付けされた線が邪魔で奥側にこて先を入れるのが難しくなってしまいます。線を通すため?に穴が開いてましたが、少し下側に穴が開いているので距離が少し遠くなるので積極的に使う事は考えない方がいいです。ただ穴に通すと線が若干固定できるのではんだ付けがやり易くはなります。
結線図
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GNDは全結線行ってますが、今では不要ではないかと思っています。これはSCSI端子内での結線であり、すぐ近くの(1cm以内に)RaSCSI基板で全結線されているので、この位置での結線はあまり意味がないのではないかと思っております。SASIのGND3本(pin no=3,7,11)をSCSI50ピンのどこかのGND3本と結線するだけで充分ではないかと。まぁ、外付けSCSI端子は片側(1~25pin)がGNDというびっくりな仕様なので、GND間結線はやりやすいのですが。3本だけにする場合はどのピンと接続すればいいかは悩みどころではあります。3本接続の場合は内蔵HDD用ケーブルの作成記事ではありますが下記のサイトが役立つかもしれないです。例えばSASIのGND,PinNo=11はDB4とDB5の間に位置しているのでSCSI外付け端子のPniNo=6あたりがいいのかな?という感じで。しかしこの法則に従うと片側に集中しちゃうので若干心配ですが、データ線が一番重要だという考えだとこの法則でよいのかもと思いますがどうでしょう?。
https://gamesx.com/wiki/doku.php?id=x68000:don_t_have_a_sasi_scsi_cable

完成したケーブル

完成写真です。飛び出している赤色の線はフラットケーブルの12番でHDD LED用です。ブレッドボードで利用する片側オス、もう片側がメスになっているジャンパーケーブルを半分に切ってHDD LED結線ケーブルとしました。片側をフラットケーブル12番と結線、もう片方をラズパイの7番ピン(ACT)とはんだ付けしておきます。
GNDの処理は先ほど記載した結線表の通りです。写真では黒い熱収縮チューブが被っている個所です
完成したケーブル(左)とラズパイ側の7pin引き出し(右側)
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SCSI端子結線拡大図
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ラズパイゼロを新規に購入してしまいました。3B+は別途遊びで利用しようかと思いまして。

マウンタの作成

PP板を100mm x 90mmで切り出して下図の様に穴あけします。
青の穴が、X68本体とねじ止めするため
橙の穴が、RaSCSIシールドを止めるためのM2.6穴です。
RaSCSIシールドの穴の位置はスイッチサイエンスのサイトの資料(Raspberry Pi 3B+ Board)を見ると分かります。
Mechanical Drawings - Raspberry Pi Documentation
作成図
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垂直サイズを90mmとしましたが、SCSI端子のカバーと干渉したため、カバーと被らないように若干短くしました。

マウンタ取り付け図
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いきなり完成の写真
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動作中

HDD LED点灯してますの写真
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今見るとシールを張り付けているのが恥ずかしい。。。因みに現在クロックアップ回路は取っ払っている為、XVIIではないです。。。
今回、ラズパイゼロに置き換えたのですが、3B+と比較してdskbenchによる性能チェックではほとんど差が出なかったですが、sambaを使ってのPCとのデータ転送速度がすごく不安定になりました。特にwrite時が顕著で、数100KB/secまで長い時間落ち込んだりとか転送が停止しちゃうとか。速度が出るときは3MB/sec程度です。readは安定しています。改めて3B+で同様なことを行うとwriteは4MB/sec以上ほぼ安定して出ます。たまに落ち込み事はありますが、すぐに復帰するので見ていて安心します(readはど安定で4.5MB/sec)。ゼロのWIFIアンテナは基板上のプリントパターンで構成されている「プリントアンテナ」だそうなのですが、そこが原因なのか、そもそも2.4GHz帯だからか、プロセッサ能力の所為なのか(これは多分違う)。理由は分かりませんがちょっと残念です。でもゼロはスイッチサイエンスで最初の一台に限りヘッダ無しのラズパイゼロがすごく安く手に入る(送料を含めても1.5K円弱)ので、お買い得感は非常に高いです。
mag.switch-science.com

背面

すっきりしました。ATX電源とモニタケーブル以外はラズパイのUSB電源ケーブルのみになりました。気持ちいいです。
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製作時間

トータルで三日ちょいかかりました。。。。土曜日の一日目は圧接作業とマウンタの作成。日曜日の二日目はSCSI端子のはんだ付けと動作チェック。"so low scsi level"というメッセージが出てブートせず。。。そして一気にモチベーションが下がる。片付ける。平日の夜は、ケーブルだけ見て原因調査。。。そして迎えた休日の土曜日(3日目)に原因判明して修正。原因はSCSI端子でのpin1とpin2のショート(つまりD0とD1です)。

では、今日はココまでです。
また何か進捗がありましたら記事を書きます。

前回の記事
spend-carefree.hatenablog.com

SASI外付け基板の記事(2019/11/3追記で本記事の訂正詳細です)
spend-carefree.hatenablog.com

*1:2019/11/3の記事に詳細を記載しました

*2:ケーブルのコネクタよりはみ出た部分は後で切ってます。また少しコネクタが完全にはまってないのが写真からも分かります。一応これでもコンタクトは取れてます